Contents あ行 新井千裕 『復活祭のためのレクイエム』 ■買って!は最大の広告文句か? 故人であるが、相米慎二監督の映画「セーラー服と機関銃」を久しぶりに観て、主演の薬師丸ひろ子さんの台詞に相当驚いた。 何というか、ああ昔のアイドルの映画はこんな感じだったなあ、というノスタルジーに浸るというか、 とにかく若さが爆発していて、大変ときめいた。・・・ 復活祭のためのレクイエム (講談社文庫) 伊井直行 『草のかんむり』 ■アマガエルにされてしまった予備校生の僕! 販売員をしている青年グレーゴル・ザムザは、ある朝自室のベッドで目覚めると、 自分が巨大な毒虫になってしまっていることに気が付く。 カフカの「変身」の始まりである。 ザムザはその後、家族にも見捨てられ、まあまあ非業の死を遂げることになるのだが、この物語の凄まじいのは、… 草のかんむり (講談社文庫) 小川洋子『博士の愛した数式』 ■絶対的に正しいものは数学の世界にしか無い? ベストセラーになったサイモン・シン「フェルマーの最終定理」は17世紀の役人で、 アマチュア数学者であるフェルマーによって証明されたとされる数学的定理を、 1993年にプリンストン大学の教授アンドリュー・ワイルズによって実際に証明されるまでの話しである。… 博士の愛した数式 (新潮文庫) か行 小林多喜二『蟹工船』 ■戦わない人々のはけ口になっているだけだと、この物語はただの寓話に終わってしまう。 今日の(2013年年2月20日)読売のコラムを読んでいて知ったのだが、今日は小林多喜二の没後80年だそうである。 つまり、1933年2月20日に小林多喜二が特高警察の激しい拷問の末亡くなった日だということだ。 小林多喜二についてはここでは敢えて触れないが、「おい地獄さ行えぐんだで!」 … 蟹工船・党生活者 (新潮文庫) さ行 志賀直哉『清兵衛と瓢箪』 ■清兵衛って器用な子ですよね 完全に先日読んだコラムからの知識だが、2013年1月26日に安岡章太郎さんが亡くなられた翌日の読売新聞だったと思うが、 安岡さんと志賀直哉の「清兵衛と瓢箪」にまつわるエピソードが掲載されていた。 当時脚本の仕事をしていた安岡さんが、志賀直哉の「清兵衛と瓢箪」を映像化 … 清兵衛と瓢箪・小僧の神様 (集英社文庫) た行 高野亘「コンビニエンス・ロゴス」 ■亀の背中に哲学が! 僕は胡散臭いものに弱い。 テレビ欄なんかで、未確認飛行物体とか超常現象とか秘密結社などの言葉を見ると、内容はなんであれついチャンネルをそこに合わせてしまう。 大抵はなんじゃそりゃという内容がほとんどなのだが、面白いのはそう言った未知なるものに対して、 … コンビニエンス ロゴス 太宰治 『人間失格』 ■薬とクズと女の不幸が太宰の特徴? 僕の家族は昔から漫画が好きで、特に父は週間で10冊以上の漫画雑誌を購読しており、漫画には不自由しなかった。 僕自身は小学3年生から現在まで続くジャンプ愛好者、通称ジャンパーである。 そんな環境にあった学生時代に、確かビッグコミックスピリッツに載っていたと … 人間失格 (新潮文庫) 谷崎潤一郎『春琴抄』 ■純愛かエゴか? 2013年1月15日の読売新聞で、谷崎潤一郎が過去3度程ノーベル文学賞の選考に名前が上がり、 その内1回は最終選考の5人に選ばれたという報道があった。 川端康成が、日本で初めて同文学賞を取る前の話である。 … 春琴抄 (新潮文庫) な行 は行 百田尚樹『永遠の0』 ■日本のエリートはなぜこうも○○なんでしょう。 机上の空論という言葉がある。 机の上だけの理論では、現場では役にたたないことがあるということだとは思うのだが、 こういうことは会社組織にいると、往々にしてよく感じることがある。 僕は管理職ではないが、自分の業務内容の中で、仕事の指示を現場社員に行うことがある。 … 永遠の0 (講談社文庫) ま行 宮本輝「蛍川」 ■富山弁はラムちゃんみたい 僕は比較的初心な方で、初恋も人より遅かった。 僕の初恋は中学校2年生の時で、同じクラスの勉強がよくできる女の子だった。 その頃の僕は運動神経も良くも悪くもなく、勉強もクラスでも中の上くらいで、取り柄と言えば、 学校の先生からも勧められた「吉本に行け」の言葉通り、 … 螢川・泥の河 (新潮文庫) 村上春樹「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」 ■ボブデュランが好きな女の子っているの 僕はメールがあまり得意ではない。 それはメールを打つのが苦手とか、友達がいないとかそういう理由ではなく、 メールを打つ自分は、本当の自分と違う別人格の自分が打っている気がするからである。 … 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド や・ら・わ行 山田詠美 『蝶々の纏足』 ■小説に独特の臭いが付いている、数少ない作家。 僕は2人兄弟の次男坊で、近所で遊ぶ友達もほとんどが男の子だったこともあって、女の子と遊ぶのが苦手だった。 一度誰かの妹が遊びに来て、ボールあて鬼ごっこかなにかをしていて、泣かしてしまったことがあった。 女の子に慣れていないせいか、どう接していいのか分からず、 … 蝶々の纏足・風葬の教室 (新潮文庫)