ドアーズ

監督 オリヴァー・ストーン
出演 ヴァル・キルマー メグ・ライアン
制作 1991年アメリカ

ロックな人代表の自伝的映画

(2012年01月01日更新)

  • 唐突で申し訳ないが、僕はロックが好きだ。
    特に60年代のロックの持つ荒削りさや、未完成さに強く惹かれる。 しかし、最近ではロックという言葉もほぼ死後っぽく、テクノポップがソウル系ミュージックに欠かせない音楽として定着し、ヒップホップやドラムベースなど、シーケンサーを多用した所謂打ち込み式の音楽が主流となり、音楽ジャンルはより幅を広げ、バンド形式の演奏方法自体も少なくなってきている。 勝手な印象ではあるが、今の音楽は比較的スマートで、格好が良いばかりか、独創的で、たまに聞いても「まあ素敵」なんて思うのだが、何だか熱心にそのバンドの音源を集めていこうとか、またはそのバンド自身の興味も湧いてこない。 音楽だからバンド自身の興味なんてどうでも良いのだろうが、音楽に必要な熱が伝わってこないのだろうか?深く掘り下げて知ろうという気が湧かない。 ライブに行けばそんなこともないのかもしれないが、ロックには刺さるくらいにあった熱が感じられなくなってしまった。 言い換えればジャンルとしてのロックが廃れてしまったのは、若い人たちにとって、音楽自体に熱は必要がないからなのかもしれない。 ロックなんてものは、白髪にロン毛の、ジョンレノンをこよなく愛する、少し常識はずれのシェキなベイベー達が聞く、民謡くらいに思っている若い人も多いのではないだろうか。 しかし、ロックを愛するものとして言っておく。 元始ロックは太陽であった。 ロックはいま月である。 僕はロックが好きで、ついでにロックな人も好きである。 ロックな人は何も、杖をついたシェキなベイビーだけではない。 あらゆる所にロックな人は存在する。 例えば、急にマラソンに目覚め、オリンピックに出るためにカンボジア国籍を取る男はロックだなあと思うし、50を過ぎて2年をかけて世界一周マラソンを行なった男もロックだし、昔、日本をインドにしてしまおうと主張していたロックボーカリストに言わせれば、ラ・ムーのボーカリストもロックな人である。 ロックだなあと思う人は、人によって違うが、ある種の熱を帯びた人であることは間違いがないだろう。 昔僕が見たロックな人は、小さなライブハウスでアコースティックギター一本でステージに上がっていた。 ロックな人は演奏などこだわらずに、明らかに間違ったコードでなにやら呪文のようなオリジナルソングを熱唱をしていた。 勿論ギターのコード進行も、FだのBマイナーだの小指を使うものは極力避け、3フレット位までで終われるコード進行で曲を作っていた。 しかし、全曲オリジナルというのが素晴らしく、もう少し練習して欲しいなあとは思っていたが、尾崎豊ばりに何か訴えたいものがあるのだろうと、少しだけ熱い思いで曲を聞いていた。 2曲ほど熱唱したあとにロックな人はおもむろにマイクスタンドに手を置いてこう言った。 「では最後になりましたが、僕のオリジナルを聞いてください」 その瞬間に僕たちは「今まで何の曲やってん」と総突っ込みでしたが、同時にああロックな人だなあと思ったのである。 後で別の友達に聞いたら、長渕剛さんの曲だったらしく、それを聞いても「なら、しゃあない」とはならず、彼のロックさだけが、記憶に残ってしまった。 そんなロックな人代表の自伝的映画が「ドアーズ」である。 鬼才オリバーストーンが描いた、60年代を代表するバンドの一つである「ドアーズ」とりわけボーカルのジム・モリソンの生涯を描いた作品である。 ジム・モリソンという人は誰もが認めるロックな人で、彼らの残された映像を観ながら本作を見ると、彼のロックな人柄がよくわかる。 僕はこの映画を観て熱かったロック全盛期を思い、憧れ、そして涙した。 この映画の最大のおすすめポイントは、ヴァル・キルマーが演じるジム・モリソンのライブの演技が大変よく似ているということ。 あとはワンシーンだけだがメグ・ライアンの胸が拝めること。 すいません下品で。 僕はロックな人ではなく男の人なのです。
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