リトルプリンス 星の王子さまと私の詳細

監督 マーク・オズボーン
出演 ジェフ・ブリッジス  マッケンジー・フォイ
制作 2015年 フランス

「星の王子様」がどれだけ多くのことを語っているのかに気づかせられる

(2016年10月07日更新)

  • 随分と大人になったものである。 年齢的な話しではなく中身の話である。 例えばこのエッセイについてもそうなのだが、このエッセイは正直お金にならない。 SNSを使わず有料サーバーを利用し、自分の力だけで運営しているサイトなので、多少はお金になってほしくて広告をつけたりもしているのだが、正直コンバージョン率が相当に低いので、小遣いにもならない。(でも楽天はまあまあ良い方) とは言え、中島らもさんのような、人を楽しませるエッセイを書きたいと思い立ち上げたエッセイだったので、お金は二の次なんてことをのたまわっていたのだが、忙しくなったりするとすぐに止めてしまったりする。 昔だったら情熱だけで打算なしにいろんなことをやってこれたのだが、今は損得が一番になっている自分がどこかにいる。 少ないとは言えメールに感想をくださる方もいて、本当にダメだなあとは思うのだが、お金が絡まなければ情熱もただの微熱になってしまう。 かわいそうだと思った方は、広告をポチしてくださいね。(嘘です。すいません。) 老害という言葉がある。 最近築地問題(今は2016年10月7日)の報道を見ていると、この言葉が思い浮かぶ。 最近のベストセラー本にもこの老害について書いてあったのだが、言葉を単純に訳すと、読んで字のごとく老いた人の害のことである。 会社なんかで、なんでこの人何もできないのにこんなに高い役職何だろうとか、そんな人に限って企画書を出してもなんだかよくわからない理由で蹴られてしまう、ということもあると思う。 よほどひどい企画書でない限り、けんもほろろもないとは思うのだが、こういう人たちの特徴の一つに「新しいもの」を嫌う傾向がある。 僕の若い頃だと新人類何て言う言葉があって、自分たちとは当てはまらない価値観を持つ若者に対し、レッテルを貼って会社に合わせること、もっと平たく言うと、自分達に合わせろということを遠回しに強要してきた。 なのでこの用語の使い方は、「お前は仕事をなめているのか!この新人類が」みたいなお叱りの言葉や、「さすが新人類。資料の作り方も独特ですなあ」みたいな嫌味に使われたりした。 要は新しい価値観への恐怖や嫌悪のような感情から、自分と異なるものを排斥しようとする、集団生活を行う動物の本能といえばそれまでではあるが、逆に違うものを受け入れて自らを発展させていこうという気概が無い。 こういう話は年とは関係がないもので、早い人だと40代の管理職くらいからこのような傾向が見え隠れしてくるそうで、逆に70代でも積極的に文化を吸収する人も当然ながらいる。 老害と呼ばれる人たちの多くは、知識の吸収を行おうとせず、自分の狭い範囲内で物事を片付けようとする。 そのため積極的に現場には降りず、まさに机上で話をするので、やたら会議を好み資料を愛するようになってしまう。 知識やヒントや刺激は現場に落ちているものだが、自らそこに踏み込もうとはしない訳である。 ここまで書いて自分も40代で、老害になっていないだろうかと考えるのだが、物事を打算で動くという意味では、もう老害予備軍かもしれない。 このエッセイ立ち上げのときには、僕が学生時代に読んで、エッセイの面白さを感じたように、誰かが僕の文章を読んで、エッセイって面白いと感じてくれたらうれしいなあと思っていたのだが、今もこの文章を書き書き、ただただ自分の思いをぶつけているだけになっていることに、ああこれも老害の始まりかもしれないなあと感じてしまうわけである。 子どもの頃の純粋だった思いってどんなんだっけと考えて、本棚にある「星の王子様」を思い出した。 落書きのような帽子の絵は、像を飲み込んだうわばみかもしれない。 星に住む男は、酒ばかり飲んで酒を飲むことを悔やんでいる。 子どもの視点で見た時に、世の中は澄んでいて、それこそ身一つあればなんだってできると思っていた。 お金やしがらみや、他人との比較なんかは、すべて年を取って身についた贅肉のようなもので、恐れずに生きていくためには、この贅肉を削いでいく必要がある。 年を取るということは、この辺のバランスをうまくとって生きていくということで、贅肉はほどほどが良いわけである。 贅肉が付きすぎた人は、外に出て自由に駆けまわったりできないように、多くの楽しみを失うことになるように、年を取ってついた社会性は、時に老害という形で自分も周りも悪い方向に向かわせてしまう。 それが大人であるというのであれば、僕は大人を嫌悪してしまう。 この映画を見ながら、改めて何年も読み継がれる「星の王子様」がどれだけ多くのことを語っているのかに気づかせられる。 王子さまは大人の世界から再び子どもの世界に戻ることができる。 僕も戻ることができるだろうか。
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