カンパニー・メン

監督 ジョン・ウェルズ
出演 ベン・アフレック トミー・リー・ジョーンズ クリス・クーパー
制作 2010年アメリカ

社会に必要とされるとはどういうことなのか?と言うことを改めて思い直させる映画だった

(2012年08月11日更新)

  • 不景気である。
    周りを見ても、生活をしていても不景気だなあと思う事象はごろごろしている。 外を歩いていても、お金でも落ちてないかしらんと、下を向いてばかりいる。 「やったあ、お金」と思って拾ってみると、なんだがキラキラ光るボタンとかだったりする。 きっといつかは良くなると、そのいつかを待っているバブル世代で設けた50前後の方々は、待ちくたびれて、ろくろ首状態になっているのかもしれない。 良い時もあれば悪いときもあるのは理の当然というやつだが、これだけ長く悪い時が続くと、もう日本が復活することはないのかもしれないと、若干諦めモードに突入しているようだ。 しかし、近代日本には40年サイクルで転換期を迎えるというジンクスみたいなものがある。 例えば明治維新(1868年)が起きて日露戦争の大勝利(1905年)までが大体40年で、日露戦争から大東亜戦争の終結(1945年)までが同じく40年。 戦後復興から経済の絶頂だったバブル期の終わり(1989年)までも約40年と、ぴったりとは言わないまでも、国の転記とも言うべき出来事が40年サイクルで成されている。 これは驚くことではなく、「景気循環論」と言う考え方があって、イギリスの経済学者が、自国の経済変動が10年から11年周期、または54年から55年周期程度で恐慌や食糧難に見舞われていることを発見し提唱した理論で、気象や科学、天文という科学的な見地から経済活動を論じる、「物理経済学」というアプローチをして、この偶発性を立証しようと試みている。 よく耳にする「太陽の黒点が株価を左右する」と言うものも、この理論に並列しており、要約すると、太陽の黒点が多いときは景気が良くなり、少ないと悪くなると云う事象が確認されているとうことである。 黒点とはそもそも9.5年から11年毎に増減を繰り返しており、その発生原因は太陽の磁場だと言われている。 学校で習ったと思うが、太陽というものは光の球であり、正体は超高温の水素である。 水素は超高温になると水素原子から電子が分離し、バラバラの状態になる。 超高温の太陽の中心部では、水素原子4個が融合してヘリウム原子1個が生成される、「熱核融合反応」が絶えず起こっている。 核融合反応は水素原子が、ヘリウム原子になる時に失った質量(マイナス0.3パーセントの質量)をエネルギーに変えて、大きな光を放つわけで、この活動は水素が全てヘリウムに変わるまで続く。 また、膨大なエネルギーの光る球は、自ら回転(自転)することで、その内部に数十億アンペアの電流を作り、これが強力な磁力線を南北方向に生成させる。しかし、ガスである以上均等に回転せず、高緯度になるほどその回転は遅くなり、それに伴い磁力線もズレが生じる。 やがて何重にもずれた磁力線は、互いに反発し、より強いねじれた磁力線を形成し、球の表面に浮き上がる。 このより強い磁力線が太陽の温度のムラを作り出し、黒点群と呼ばれる太陽の表面温度よりも遥かに低い場所を作り、黒く見えるということらしい。 この黒点が人間の、しかも経済にどう影響しているのかは、本を読んでもいまいち理解できないので割愛するが、超巨大スケールのエネルギーを発する太陽なので、ガンマ線など、人体に影響すると思われる可視光線を、当たり構わず注いでいるわけなので、水で出来た人間は、なんとなく影響がありそうな気はする。 本当のところは良くはわからないが、人の営みにはサイクルのようなものがあるのは事実で、太陽のエネルギーが「良い時、悪い時」を生み出しているのだ、と言われると、何となくそんなものかな?と思ってしまうのは僕だけだろうか? 今回も前置きが長くなってしまったが、「カンパニー・メン」はリストラ映画である。 しかも超巨大企業のリストラ物語である。 映画を観ながら、この映画を誰が好んでみるのかしら、と思ったが、観てみると中々のヒューマン・ドラマだった。 この映画で描かれている、企業経営者の冷淡さや、首切りの実情を実体験の中で見てしまっているため、何だか観るに耐えない感もあるが、自分がそんな毒された世界にいることに気づかされ、また、社会に必要とされるとはどういうことなのか?と言うことを改めて思い直させる映画だった。 僕は黒点が経済に影響を与えているというのは、フリーメイソンが世界を牛耳っている、という説と同じくらい眉唾とは思っている。 しかし、人間のサイクル上、良い時、悪い時は交互に訪れると思っている。 何故なら人は忘れる生き物だからである。 良い時は、自分が頂上のような気分でいるが、そこで奢ることで一気に悪い方に転がり落ちる。 その時初めて自分がいかような人間なのかを思い知ることになる。 会社の中では威張っていたが、やめた途端に就職が無くてあくせくしている人を、何人も観た。 しかし、僕はそれでも良いのではないかと思っている。 浮き沈みがある方が寧ろ人間らしいのではないだろうか? できれば40年も掛からず、20年くらいで立ち直って欲しいなあとは思うのだが。
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