アルゴ

監督 ベン・アフレック
出演 ベン・アフレック アラン・アーキン
制作 2012年アメリカ

自分の会社でも、このような思い切った企画が通ればいいなあ、と多分たくさんのサラリーマンは思ったのではないだろうか

(2013年04月12日更新)

  • 僕は今の会社に入ってそろそろ20年になろうかという中堅社員なのだが、恥ずかしい話、企画書というものをあげたことがあるのがただの2回しかない。 会社に企画書を上げて、それを精査するという考え自体が自分の中に存在しないこともあって、出来が悪かったのだろう、一つは無視され、一つは業務改善案件だったので、採用されて今も稼働している。 乏しい経験ながら書くのだが、企画を考える時に、「そんなことを全く考えていない」または「言っている意味さえわからない」人に対し、説明を施さなければいけない時に、相当に骨が折れる。 こちらが熱を持って話しても、意味がわからないからなのかどんどん煩わしくなって、兎に角ちんぷんかんぷんな質問をぶつけてきては、最終的に「機会があれば・・・」みたいなことになるので、ああ無駄な時間だったなあ、と思うのであるが、こういった会社は大抵たいしたことはできない。 何故大したことができないかというと、会社は利益を求めて動くものだが、この複雑な世の中で、たった一人の頭の中で動く物事などは、たかが知れている。 100年安心の仕事をしているのであれば別に新しい意見などを入れる必要もないとは思うのだが、そんな仕事が無いことくらいは多分小学生だって知っている。 はたまたトップに相当能力の高い人がいて、牽引していくだけのパワーがあれば別だが、ずっと時代に併せて牽引し続けていくスーパーマンは滅多にはいないわけで、やはりいろんな人の力を借りていかなければ、なかなか発展は難しいだろうなあとは思う。 松下幸之助さんの言葉に「まずはやってみなはれ」という言葉がある。 先週、生活給付金の受給者を監視する条例を出した小野市の市長が、「まずはやってみなはれ」でやってみるというような趣旨でこの言葉を使っていたので少し鼻にはついたのだが、この言葉自体は前向きで、強い改革の意思を感じなくもない。 確かに僕の故郷である大阪府で発覚した数々の生活給付金の不正問題のおかげで、すっかり肩身が狭い受給者の方々にとっては、マジでか?という条例だが、確かに「まずはやってみなはれ」という意識が無ければ物事は変わっていかない気がする。 是非とも監視と捉えず、不正発覚の糸口として正しい社会を作るという意気込みでとらえていけば、間違えたことをしていない人たちにとっては良い条例なのかもしれない。 そもそもアメリカでは「面白半分に人の頭にボールを当てない」という、子供か!と突っ込んでしまいそうになるすごい条例が沢山あるので、市の条例ぐらい自由な裁量があっていいのではないか、と思うわけである。 映画「アルゴ」では、「やってみなはれ」もためらってしまう人質救出作戦を実行する。 内容は触れずにおくが、「えらいこと考えだしたなあ」と率直に思う作戦で、同時にこの案を通すアメリカと、実現させてしまったCIAにただただ、「羨ましいなあ」という感情が起こった。 1979年に起こった「イランアメリカ大使館人質事件」が元になっているため、緊迫感を出す演出がわざとらしく感じられない場面も無いわけではないが、この映画のようなことを実際に行った事実は、正直脱帽である。 無論映画なので相当に脚色はあるとは思うのだが、それでも人命をかけた状況の中で、思いきれない保守的な上司だと、けんもほろろにシャットアウトじゃないかなあとは思ってしまう。 少なくとも日本では考えられない気がする。 自分の会社でも、このような思い切った企画が通ればいいなあ、と多分たくさんのサラリーマンは思ったのではないだろうか。
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