イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所

監督 R・J・カトラー
出演 クロエ・グレース・モレッツ
制作 2014年アメリカ

クロエ・グレース・モレッツの 恋愛映画

(2015年05月09日更新)

  • オカルトの世界では有名なのだが、キルリアン写真というものがある。 簡単に言ってしまうと、生体からのコロナ放電の像を収めた写真のことで、もっと噛み砕いて言うと、オーラ写真のことである。 オーラについてはもう少し調べて、本エッセイサイトの「正していこう」にも書くと思うのだが、キルリアン写真は実際に、コインのような平面体の物の周りが放電している写真がいくつも残されている。 このキルリアン写真の正体として、ロシアのキルリアン夫妻が発表した報告によると、元気な生体の周りに複雑な光の放出があり、例えば落ちたばかりの葉には見られる光が、しおれた葉には見えなくなってくる。 要は有機体が滅ぶにつれて、光の放出もどんどん小さくなるということだろうか。 この実験結果から、生命体には何がしかのオーラがあるらしいということになり、オカルト界ではそれが人間の気の強さを表すだの、運の強さを表すだのと、確かめようの無いものに変化していくのだが、聞く分にはなかなかメルヘンな話ではある。 また、興味深い実験結果として、葉を半分に切ってオーラを調べると、元の切る前の形にオーラが観測されたという。 これこそオーラ=生の気みたいなイメージにつながった事象で、人間は生きる限りなんらかの放電を行っていて、生命の神秘的な部分として、一時期有名な学説でもあった。 ちなみにテスラコイルで有名な、鬼才ニコラ・テスラも生体からのコロナ放電の像を確認している。 さすがは科学オカルトの大家である。 現在このキルリアン写真については、十分な湿気と帯電があれば起こる現象であることが知られている。 生体の健康状況やもちろん運やらなんやらは無関係だということだ。 要はコインを少し濡らして電気を加えれば、簡単に放電するという、ただの化学現象であることである。 とは言え切り取った葉に残された光の放出については、よくわかっていない。 実際にそんな現象が起こりえるのかは、実験をしているところを見たわけではないのでなんとも言いようが無いが、生物自体が光を放つわけではないのであれば、正直そんなことは起こりえないだろう。 しかし、現実として、人の強い思いのようなものは、ある種のエネルギーをその場に残すのではないか?という考えがある。 それが可視化された光だといわれると、どうにも眉につばをつけたくなるのだが、極々微粒の光の粒がそこに残されるといわれると、何となく地球の磁場を受け続ける生命体としては、それぐらいのエネルギーを放つくらいはありえるかも知れないと思うのは僕だけだろうか。 科学の進歩につれて、少しずつ、目に見えない世界が見えるようになってきて、例えば昔は赤外線や紫外線のような目で捉えられないものの存在も知りえるようになった歴史から見ると、人を含む有機体が放つエネルギーの光なんかも証明される日がくるのかもしれない。 ということで今回の映画紹介はオカルトである。 「イフ・アイ・ステイ」という、リメイク映画「モールス」で一躍有名になった、クロエ・グレース・モレッツの 恋愛映画である。 恋愛映画が何でオカルトかというと、この映画の後半では、クロエが事故で死に掛けてしまい、軽く幽体離脱してしまう。 映画は二部構成で物語が進む。 前半はクロエの恋愛ストーリーで、これがまた、なかなかどうして感情移入がしにくい。 まるで少女マンガのような設定で、おっさんの僕の感性が死んでいて、なかなか受け入れにくいだけかもしれないが、恋愛の定番ストーリーは性に合わないらしい。 後半はクロエが事故で生死をさまよい、生きることへの葛藤が描かれる。 映画全編クロエの魅力満載な映画ではある。 アイドル的要素を含む主演作品は、大物女性子役スターの登竜門といってしまえばそれまでだが、ファンの人なら内容云々はさておき、それなりに満足できるのではないか。 決してリアリティがある映画ではなく、ただクロエの魅力だけに頼った映画といえなくも無いが、映画で扱われた幽体離脱については、考えるものがある。 人が生死の狭間で見るといわれる走馬灯や、魂が肉体を離れる幽体離脱のような現象は、人の脳が作り出す世界としては、やはり極限に高められた場合に、まるで大きなバグを脳が発しているようで面白い。 その極限をクロエが演じきるまでには、まだまだ時間がかかりそうだなあとは感じた。 この映画自身が、今後のクロエの映像人としての人生の中でのバグでなければ良いなあ、と要らぬ心配をしてしまった。
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