トーテムポール  ルンバ

イノベーション

(2015年11月10日更新)

  • 最近何かとロボットブームである。(現在は2015年11月) それこそテロに使われそうなドローンや、ソフトバンクのPeppaとか、近未来を予感させるものが次々現れる。 そのうち車も空を飛び、ロボットが肉体労働を行う、手塚先生の世界がやってくるのではないかしらんと、SF少年だった僕なんかは目をキラキラさせてしまいそうなのだが、多分現実化するその頃僕は鬼籍入りしているだろう。 先日、映画バックトゥーザフューチャー2の舞台となった、2015年10月21日を迎えたが、あの映画で紹介された大画面薄型テレビやビデオ通話、タブレット機器や映画のホログラフィックディスプレイ、自動靴ひも調整機能付き「スニーカー」まで本当にナイキが作ってしまうというので驚きである。 無論マーティーが乗ったエアスケボーはまだできていないのだが、映画の世界が現実になっていくのは夢があってわくわくする。 そのうち、ドラえもんもできるのではないかと期待しているが、こちらも僕が生きている間は難しそうである。 そういった意味では電化製品も、僕の子どもの頃から比べるとずいぶん様変わりしたと思う。 一番顕著なのはパソコンの普及と電話機だろう。 若い人は知らないかもしれないが、僕の子どもの頃の電話といえばダイヤル式で回すもので、番号は押すものではなく回すものだった。 受話器もワイヤレスではなかったので、持ち運びができず、電話のコードを伸ばして部屋まで持っていって大好きな彼女と取り留めのない話をしたりしたものだ。 テレビもリモコン何かなくて、チャンネル争いでは、テレビについているスイッチを抜いて、誰もチャンネルを変えることができなくしていた。 思えばアナログな話である。 ビデオも昔は高級品だったので、オンタイムでテレビを見ていたので、テレビを見に急いで学校から帰るなんてこともあった。 音楽はカセットテープ、電話帳は計算機付き電話帳だったし、映像はビデオテープやLDだった。 考えてみれば随分前に滅びた家電にまつわる道具も多くあるものだが、そこから考えると、今の時代は随分便利になったと思うわけである。 電化製品の技術の進化というものは、昔は家電メーカーのアイデアとひそかな努力によって成り立っていた。 例えばソニーの電気釜や、松下のソケット電球などは、アイデアの賜物である。 しかし最近の成長は、個人のレベルではどうにも立ち行かない。 そもそもパソコンのネットワーク技術は、国家機密として運用されていた、軍事ネットワークのシステムを応用したもので、非常時に軍の指揮系統を失わないようにするために開発されたもので、パソコン自体も弾道ミサイルの軌道計算に使われていた。 携帯電話は軍事無線だし、デジタルカメラも衛星に詰まれたカメラの技術から来ている。 基本はアメリカとソ連の冷戦時代の産物である。 人を滅ぼす可能性のある技術が、人の発展を支えているのはなんとも皮肉な話である。 そんな代わりゆく家電の中でも異彩を放つのは、掃除機ロボットルンバであろう。 ルンバを知らない人のために書くと、自走式に掃除をしてくれる、愛らしい円形の掃除機で、アメリカのマサチューセッツ州に本社を置くiRobot(アイロボット)の製品である。 この製品の特徴は、部屋の配置を感知して、そこを避けて掃除を行ってくれることで、家電にIC(人工知能)が加わった商品として、世界的にヒットした。 この技術の元になっているのが、地雷探知ロボットで、最近でも被災した場所で、瓦礫の中から被災者の発見などをするのに一役買ったりした。 中にはセンサーが内蔵されており、熱反応を感知する機能があり、それにより生体の認証を行うのだろうが、人類を救うために開発された軍事技術であるのが何となくうれしい。 ルンバや家電の進化を見ると、イノベーションを感じずに入られない。 世の中にある仕組みや技術を使って、いかに新たなものを創造するかは、やはり人にしかできない。 そして技術は人を滅ぼすこともできるが、人を救うこともできるのである。 韓国のタオ思想ではないが、陽と暗は常に表裏一体であり、どちらに成るかはその人次第なのである。 話は変わるが、SRI(会社を社会的にみてどうかを考えて、投資活動を行って支援すること)は、イノベーションの定義として、企業にとって持続可能なビジネスモデルを用いて、市場に新たな顧客価値を創出し提供することとしているそうだ。 顧客価値の創出というものは、言ってみれば氷点下の国にクーラーを売るようなもので、新たな市場で、新たな価値を考えていくことで、その企業の公益性が増すという考えのようだ。 最近の世界の潮流として、この「公益性」が重視されてきている。 金儲けのためにある会社や、特定の人物が得をするようなコミュニティは廃絶される必要はあるとは思うが、公益性だけで果たして会社が成り立つのかは、甚だ疑問は残るのだが、この宣言は社会がより成熟した証なのかもしれない。 自分の所属する会社がどうなんだろうと考えるとき、胸を張ってイノベーション企業といえるのだろうか? やや耳の痛い話である。 因みにアノベーションは、イノベーションより先に進んだ技術のことである。 すいません、嘘です。 まじめなことを書きすぎたので、しょうもないことを書かずにはいられませんでした。
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