なぜ大麻は禁止されるのか?

ついでに日本も禁止にしちゃえというノリだったのだろうか

(2014年11月06日更新)

  • 最近脱法ハーブなるものが、自動車の危険運転を促し、社会問題となった。 脱法ハーブという名前は、罪意識を低くするとのことで、危険薬物的な名前に変わったようだが、僕なんかは脱法ハーブと聞くと、何だか仏教で使うお香みたいなものを想像してしまう。 名前を変えても結局はハーブなので、草の配合を変えることで法から逃れることができるという悪い意味で優れものらしいので、完全な摘発は難しいらしい。 いっそのこと合法にしてしまって、お酒と一緒で運転は禁止みたいにしてしまって、脱法ハーブ自体が地下に行かないようにしたほうがいいんじゃないのかなあ、と思う。 時効かどうかは知らないながら書くのだが、学生時代にクラブで遊んでいた時に、友達の一人がドラッグ経験を話していたのを覚えている。 ドラッグの種類がスピードだったかエクスタシーだったか覚えていないが、飲むと顔の目の当たりに一本のピンクのラインが出て人の顔が歪んで見えるようになるそうだ。 ピカソもびっくりの体験だが、正直そんな怖い思いして何が楽しいのか、と当時思ったのを覚えている。 こんな話を当時よくしていたのは、僕は学生時代洋楽ロックにかぶれていて、特に60年代が大好きだったからである。 本当にかぶれにかぶれて、全身漆塗り状態だった。 60年代ロックの歴史は、同時にドラッグの歴史でもあって、ドラッグは、ジミヘン、ジャニスと多くのロックミュージシャンの命を奪っていった。 ドラッグにもいろいろあって、大麻のように吸引するものもあれば飲み薬もあるし、注射するものもある。 昔の洋画何かを見ると、若者が意外とライトな感覚でドラッグをやっているのを見かける。 ドラッグは精神を自由にして、且つ所持自体が犯罪であることで、享楽的な若さを感じられるというところだろうか? ことアメリカでは、「イージーライダー」や「ドラッグストア・カウボーイ」のように、まるでドラッグを肯定しているように見える映画も少なくない。 一方で日本では、ドラッグは団地に住む主婦とかが、疲れが取れる薬だとかなんとか言われてもらって、最初は確かに楽しい気分になるので、次も次もとやっていくうちに中毒になって、最後は暗い部屋で注射針を射って、その金のために体を売るみたいな、若い頃の市毛良枝さん何かがやってそうなイメージなので、アメリカよりはドラッグについてのイメージが怖い。 このようにドラッグ自体は格好よく、しかし怖いものではあるのだが、実際の所ドラッグって本当に危険なんだろか? ドラッグは原則人間にとって害になる成分が含まれ、その多くは心臓や肺など臓器に影響を与える。 要は人体に影響を与えるからこそ、ハイになったりするわけである。 そんなものが危険でないはずが無い。 現に沢山の人が亡くなっているわけで、それだけでも危険であることがわかる。 しかし、1つだけこの危険という検知から見ても疑問があるドラッグがある。 大麻(マリファナとも言う)である。 特に大麻については、元ビートルズのポール・マッカートニーが来日時に不法所持で逮捕されたのを覚えているが、よく耳にする大麻は危険か?と言われると、どっちなんだろう、という人も少なくないのではないだろうか? まず大麻とはどういうものか? ネットで調べると、アサ科の植物で、乾燥させてタバコのように吸うことで、気分が高揚するらしい。 映画ではマリファナという名前の方が主流で、よく登場するドラッグである。 昔は日本でも栽培されていたようで、戦後に禁止されてから、全国の山々で大麻刈りみたいなこともあったようで、ひょっとしたら今も何処かの山でひっそり群生しているのかもしれない。 そんなアホなと思っていたら、板東英二さんが若い頃に、自分の家の庭にいつの間にか大麻が生えていて、警察が回収に来たみたいな話をしていたのを記憶している。 この話からもわかるようで、ある時期まで大麻は身近にあって、そんなに悪いものではなかったのである。 これもよく耳にするが、オランダでは大麻はカフェとかで楽しむことができる。 こういった大麻OKの国も実は多くて、ベルギーやポルトガルも制限付きでOKである。 スペインに至っては栽培もOKというので、よくこんなところでオリンピックをしたなあ、なんて毒を吐きたくなるが、欧米では大麻はそんなに危険ではないのでは?という意見がどうもあるようだ。 ドラッグを危険とみなす上で、考えるべきは「中毒性」「耐性」がある。 まず中毒性だが、これはほぼ無いらしい。 なぜ「ほぼ」なのか?というと、人によっては「きゅうりの匂いがやめられないの」という人もいるかもしれないので、ほぼと書いた。 世の中いろんな人がいるので全員とは書かなかったが、学術的にはそれこそチョコレートよりも中毒性が無いとうことらしい。 ご存知のアルコールの方がよっぽど中毒性が高くて、その中毒性故か、世界ではアルコールが原因で、年間に250万人程度亡くなられているという報告もある。 一方の耐性については、所謂コカインなどのハードドラッグに比べて、圧倒的に低い。 というかほぼゼロらしく、大麻による死亡例みたいなものも事例がないそうだ。 アルコールはご存知のように耐性も人によるため、ハードドラッグとまでは行かないが、大麻よりは高い。 この2点だけで考えてみても、アルコールは中毒性及び耐性も人によるとは言え、完全にドラッグである。 大麻は、合法のアルコールと比べてみても、中毒性、耐性のどれをとっても低く、問題がないと言われている。 大麻を本当のハードドラッグである、ヘロインやコカイン、覚せい剤と同列に並べるのは、まるで戸塚水産高校にいる、エリート学生をヤンキーだと言っているみたいなものである。 この表現はわかる人だけ笑ってください。 因みに理由はあえて書かないが、タバコも十分にドラッグと言えるかもしれない。 例えて言うなら立花商業くらいですかね?(もういいですか?) では、なぜアルコールやタバコは禁止されずに、大麻は禁止されたのか? 大麻は、戦後GHQ占領下の日本に置いて発布された大麻取締法が今も現役バリバリだからなのだが、この法律以前は、喘息の薬や繊維製品として大麻は栽培、販売されていた。 大麻取締法は簡単に言うと、危険な麻薬は作るなという法律で、薬事法に含めずに独立した法律だったのは、作るのが農家だからのようだ。 実はこの法律は、その前にアメリカで出された大麻課税法というものが影響しており、大麻課税法は要は大麻を作ると余計に課税しますという法律だった。 当時の大麻は吸引目的に栽培するのではなく、布や紙の材料として栽培されていたため、課税法によって大麻のネガティブキャンペーンが貼られ、何だか悪にされてしまったのかもしれない。 因みにこの法律の背景は、合成繊維やパルプ産業の保護ではないかとも言われているが、そこはよくわからないが、こういった大麻の規制があったアメリカで、大麻自体の生産を減じる動きがあって、ついでに日本も禁止にしちゃえというノリだったのだろうか。 大麻はいわれのない悪の風評が今も残されているだけなのかもしれない。 ここでもアメリカの影響が登場するわけである。 自由の国とはかくも数人の支配者が牛耳る世界なので、支配者の都合によってイメージさえも作られてしまう所に、なんとも言えない虚しさを感じてしまう。 タバコは害悪で、アルコールは楽しめれば適量に楽しんで、大麻は恐ろしいドラッグ。 でも本当の姿は、まあ吸わない方が長生きするかな?というタバコと、たしなむ程度ならいいんじゃないの大麻、中毒になって、誤った服用は死ぬこともあるアルコール。 風評と実際の効果が異なる大麻は、権力者の都合で濡れ衣を着せられたまま、今も罪を被っている悲しい存在なのかもしれない。 なんだか世界が霞むお話である。
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